耐久財受注とは?FXにおける耐久財受注の影響

耐久財受注とは何か?耐久財受注を分かりやすく解説

株式市場や為替市場などの関係者ではない方からすると、「耐久財受注(たいきゅうざいじゅちゅう)って何?聞いたことがない」と思われるかも知れません。経済状況に関係があるとされている耐久財受注とは、いったいなんのことなのでしょうか?

 

耐久財受注とは、製造業を営んでいる企業において耐久財の受注状況を示した経済指標(経済状況を数値化したもの)のことを言います。耐久財とは、3年以上の使用に耐えられる製品のことです。耐久財の例としては、「家具」「家電」「自動車」「航空機」「パソコン」などが挙げられるでしょう。

 

耐久財の受注状況を表した耐久財受注は、「米商務省経済分析局(Bureau of Economic Analysis)という機関から発表が行われます。米商務省経済分析局とは、アメリカ合衆国における経済について、さまざまな重要統計を提供するアメリカ合衆国商務省の一機関です。

 

製造業米商務省経済分析局は、耐久年数が3年以上あると判断された耐久財の「新規受注額」「受注残高」「出荷」「在庫」を、米国内における製造業約4,000企業のデータを集計します。そのようにして集計された速報値(集計されたデータを修正せずに発表される数値)と確報値(速報値に修正を加えた数値)は、発表されるタイミングが異なります。

 

速報値においては調査月の翌月下旬に発表され、確報値(速報値に修正を加えた数値)においてはさらに翌月の上旬に発表されます。また、発表時間においては速報値がPM9:30頃(米国夏時間・日本時間)、確報値がPM11:00頃(米国夏時間・日本時間)に発表されます。

 

このような耐久財受注は、FXに取り組んでいく上で重要な指標となることもあるのです。耐久財受注は、どのようにしてFXに活用できるのでしょうか?

耐久財受注のFXにおける影響度・チャートの値動き

耐久財受注における指数が上昇しているか下降しているによって、経済状況を判断することができます。

 

例えば、耐久財受注にて発表された指数が上昇していれば、経済が向上しているという見方をされます。なぜかというと、耐久財受注の数値が前月よりも上昇しているということは、設備投資などが進んでいると判断できるからです。

 

そのため、耐久財受注の数値が前月よりも下がってしまっていると設備投資が停滞していると判断され、景気下降しているという見方をされるでしょう。

 

つまり、設備投資の進捗が、アメリカ経済に与える影響は非常に大きいのです。

耐久財受注を活用すれば経済状況の確認をしたり、景気の動向を予想したりしていくことが可能となっています。また、耐久財受注の数値が上昇していればドルが買われやすくなり、数値が下降しているとドルが買われにくくなるという傾向があります。

 

耐久財受注の発表数値によって、経済状況はかなり変化します。そのため、耐久財受注はFXに取り組んでいく上で重要な指標だと言われています。また、耐久財における受注は生産段階前に行われることが多いため、生産や設備投資に対して先行性があるとも言えるでしょう。そのため、耐久財受注はマーケット関係者たちからの注目度が高く、為替市場などに影響を与えることもあるのです。

 

ただ、耐久財受注に対する予想は外れることも多いです。そこで、耐久財受注では「除輸送用機器」という、航空機や自動車を除いた項目が発表されます。航空機や自動車などを抜けば変動要因が少なるため、マーケット関係者からの注目が集まりやすくなります。注目が多く集まるということは価格変動も大きくなるということです。

 

そのため、除輸送用機器を中心に耐久財受注をチェックしていくと良いでしょう。

まとめ

耐久財受注の推移によって、FXにおけるチャートの値動きなどに影響してくることがお分かりいただけたと思います。

FXに取り組む上では、経済指標のひとつである耐久財受注も確認していきたいところです。