景気先行指数とは?FXにおける景気先行指数の影響

景気先行指数とは何か?景気先行指数を分かりやすく解説

「景気先行指数」をご存知でしょうか?FXに取り組む上では、景気先行指数という経済指標(経済状況を数値化したもの)が重要な指標となります。

 

景気先行指標が意味しているものは、いったいどのようなことなのでしょうか?

 

景気先行指数とは、生産や雇用などのさまざまな経済活動の動きや、景気動向に影響される指標の動きを統合したという経済指標のことです。例えば、景気先行指数の数値が前月よりも上昇していれば景気が向上したというに判断され、円が買われやすくなると言えます。一方、景気先行指数の数値が前月よりも減少してしまった場合は不景気だと判断されるでしょう。

 

このような景気先行指標は、各国からそれぞれ発表されます。日本における景気先行指標は内閣府(重要政策に関する企画・調整を行う日本の行政機関の1つ)から毎月発表されています。

 

また、世界最大の経済大国であるアメリカ合衆国の経済状況は、世界中に影響を与えます。そのため、米国における景気先行指数も、為替市場や株式市場などを始めとしたマーケットからの注目度が高いのです。

 

米国・景気先行指数は、コンファレンスボード(全米産業審議会)から毎月第3週に前月分の発表が行われます。コンファレンスボード(全米産業審議会)とは、米国経済団体や労働組合などで構成されている民間の非営利調査機関のことです。

 

米国・景気先行指数は「製造業の週平均労働時間」「週平均失業保険申請件数」「消費財新規受注」「実質マネーサプライ(通貨供給量)」「入荷遅延率」「非国防資本財受注」「新規住宅着工件数」「S&P500(株価)」「長短金利スプレッド」「消費者期待度指数」という、実際の景気動向よりも早く動くと判断された10項目から算出されています。

 

これら10項目のうち「実質マネーサプライ」が最も高く、その次に高いのが「週平均労働時間」となっています。これら2つの項目を合わせるだけで50パーセント以上になるため、非常に大きい割合だと言えるでしょう。米国・景気先行指標の発表時間は夏だとPM11:00(米国時間・日本時間)となっており、冬だとAM0:00(米国時間・日本時間)となっています。

景気先行指数のFXにおける影響度・チャートの値動き

景気動向や、重要となる指標の動きを統合している景気先行指数という経済指標は、為替市場や株式市場などのマーケット関係者たちからの注目度が非常に高いです。多くのマーケット関係者たちから注目されるということは、景気動向に与える影響も高いということにつながります。

 

上述したとおり、景気先行指数におけるグラフ数値の推移によって、経済状況の見通しを立てることができます。経済先行指数の増減や前月比などを定期的にチェックしていけば、日本や全国の景気動向を把握できるようになるでしょう。

 

そのため、景気先行指数という経済指標はFX取引や株式取引を行っていく上で非常に役立つ指標となるのです。

 

一方、新型コロナウイルスの流行によって、景気先行指数が大幅に減少したという背景もあります。内閣府の発表によると2020年における景気先行指数は、かつてない速さで落ち込んでいる模様です。

 

コロナの影響で景気先行指数が減少した原因としては、消費者心理(消費者が商品を購入する際の心理)の悪化や耐久財(長い年月の使用に耐えることができ、使用年数も長い商品のこと)などの在庫率の上昇が挙げられます。

 

今後の景気動向はどうなってくるか、注目していきたいところだと言えるでしょう。

まとめ

為替市場や株式市場などで立ち回っていくトレーダーとして、景気先行指数は重要な指標だと言えます。そのため、景気先行指数は定期的にチェックしていくことが肝心です。