対米証券投資とは?FXにおける対米証券投資の影響

対米証券投資とは何か?対米証券投資を分かりやすく解説

「対米証券投資」という指標はご存知でしょうか?

FX取引を行っていく上では、対米証券投資という経済指標(経済状況を数値化して表したもの)も、重要だと言えるでしょう。では、対米証券投資とはいったいどのような経済指標なのでしょうか。

対米証券投資とは、米国における証券(株券・債権などといった財産法上の権利や義務について記載されたもの)に投資された金額を表した指標のことです対米証券投資のデータと貿易収支(輸出入における収支のこと)のデータを比較することで、国際収支(一定期間内の一国全体における対外経済取引を要約して表したもの)におけるバランスを確認することができます。

また、経常収支(国際収支を表す基準のこと)と対米証券投資との比較にも注目が集まります。

経常収支の赤字による資金流出よりも対米証券投資が大きい場合は、米国への資金フローは流入超と判断されます。さらに、対米証券投資は米国への資金フロー(国民経済において流れ動いた資金についての流通を指す)状況を確認する上でも、重要な指標であるとも言われています。

では、このような対米証券投資はどういった機関から発表されるのでしょうか?対米証券投資は、米財務省(アメリカ合衆国の歳入管理を行っている官庁の1つ)から、翌々月の毎月15日前後に発表が行われます。

米財務省は「米国の銀行」「貯蔵金融機関(個人の貯蔵を引き受けることができる金融機関」「カストディアン(投資家に代わりに有価証券の管理を行っている機関」の3つからデータを集計します。そのため、集計が煩雑になりがちで、発表されるのも計測月の翌々月(2ヶ月前の月の集計値が発表されるということ)になってしまいます。

なお、対米証券投資の発表時間は夏だとAM5:00(米国時間・日本時間)となっており、冬だとAM6:00となっています。発表時間に関しては、他の経済指標よりも比較的早い時間だということがお分かりいただけると思います。

対米証券投資のFXにおける影響度・チャートの値動き

では、米国への資金の流出入を確認することができるという対米証券投資は、FX市場においてどれほどの影響力があるのでしょうか?

前項でお伝えしたとおり、対米証券投資は為替市場や株式市場などのマーケットで立ち回っていく上で、非常に重要な指標となります。対米証券投資は、FXトレーダーなどのマーケット関係者たちからの注目度も非常に高いと言えるでしょう。

対米証券投資の見方としては、貿易赤字との関係に着目することが重要です。こちらも上述したとおり、対米証券投資のデータと貿易収支のデータを比較することで、国際収支におけるバランスを確認することができます。

もしも、国際収支のバランスが取れず貿易赤字額をカバーできていなければ、海外にドルが流出しているという見方をされるでしょう。そのため、ドル売りをするための判断材料となるのです。

一方、国際収支のバランスが取れて貿易赤字をカバーすることができれば、外貨が流入しているという見方をされ、ドル買いの判断材料となるでしょう。対米証券投資の見方が分かれば、このような活用方法もできるということです。

まとめ

いかがだったでしょう。対米証券投資は、アメリカの経済状況を知るためには欠かすことができない経済指標の1つだということが、よくお分かりいただけたと思います。

対象月のデータが発表されるまでの期間は2ヶ月と長く、速報値に劣るというデメリットがありますが、為替市場や株式市場などのマーケットでは必要不可欠な経済指標だと言えるのです。FXトレーダーを始めとしたマーケット関係者は、定期的にチェックしていくことを心がけましょう。