ISM製造業景況指数とは?FXにおけるISM製造業景況指数の影響

ISM製造業景況指数とは何か?ISM製造業景況指数を分かりやすく解説

 「ISM製造業景況指数」という用語をご存知でしょうか。「この前、日経新聞でISM製造業景況指数について書かれていたな」という方も、もしかしたらいらっしゃるでしょう。

 

実は、ISM製造業景況指数はFXに取り組むうえで非常に重要な指標です。

 

ISM製造業景況指数とは、アメリカにおける製造業の景況感を表している指数のことを指します。すなわち、米国の製造業の企業や消費者が現在の景気状態を以前と比較し、「良くなっている」「悪くなった」「停滞している」など、どのように感じているのかを表しているのです。

 

ISM製造業景況感指数は、全米供給管理委員会であるISM(Institute for Supply Management)が公表を行っています。ISM製造業景況感指数では、300以上の製造業企業に対してアンケートを実施します。

 

アンケートの内容としては、30パーセントが「新規受注」、25パーセントが「生産」、20パーセントが「雇用」、15パーセントが「入荷遅延(配送時間)」、10パーセントが「在庫」という5つの項目に分かれています。それに対し回答は、「良くなっている」「悪くなっている」「同じ」三者択一となっているのが特徴です。

 

また、3つの選択肢にはそれぞれ点数付けがされています(良くなっている1点、悪くなっている0点、同じ0.5点)。この5つの項目に回答していったものを点数化し、加重平均で指数が算出されたものが「総合指数」です。結果的に、このようにして計算された総合指数が50以上だと好景気、算出された総合指数が50以下だと不景気として判断されます。

 

「ISM製造業景況感指数って、いつ発表されるの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。ISM製造業景況感指数は、毎月第1営業日に発表されます。そのため、米国における主要指標の中でも比較的早く発表されていることが分かります。

 

ちなみに、非製造業における景況感を表す指標は「ISM非製造業景況指数」と言います。ISM非製造業景況指数は、第3営業日に発表されます。

ISM製造業景況指数のFXにおける影響度・チャートの値動き

 米国内製造業の景況感を表したものであるISM製造業景況指数は、株式市場や為替市場などのマーケットにおいて影響力が非常に高いと言われています。そのため、ISM製造業景況指数はマーケット関係者たちから最も注目されている指標なのです。

 

「ISM製造業景況指数は、なぜ重要視されているの?」と思われでしょう。ISM製造業景況指数の注目度が高いのは、米国における経済状況を予測する上で製造業の動向を把握しておくことは非常に重要だからです。

 

アメリカの主力となる産品は「自動車」などです。製造業はアメリカの景気を牽引していきた存在だとも言えるでしょう。そのため、製造業における景況感を示したISM製造業景況指数は、アメリカの経済状況を把握する上で重宝されるのです。

 

製造業の景況感によって経済状況に大きく影響を与えることもあり、ISM製造業景況指数は景気転換の先行指標とも呼ばれています。FXプロトレーダーなどのマーケット関係者たちは、ISM製造業景況指数の定期的なチェックを欠かしません。

 

また、マーケット関係者たちから最も注目されるのは、上述したようなアンケートにおける5つの項目から算出される総合指数です。総合指数の推移を確認することによって、経済状況における動向を知ることができます。

 

さらに、ISM非製造業景況指数における推移も併せてチェックしておくと、より経済状況を把握することができるでしょう。

まとめ

 FXに取り組んでいく上で、ISM製造業景況指数という指標も十分に役立てられるということが、よくお分かりいただけたと思います。

米国の経済状況は世界中に影響を与えるものです。今回紹介したISM製造業景況指数を活用して、米国内の経済状況を見通していきましょう。