様々なブログを見ていると、順張り・逆張りと一緒に「両建て」という言葉を見ることが多いのではないでしょうか。
この、両建てといったい何なのでしょうか?
ここでは、「両建てって何?難しい手法なの?」という方にも分かりやすいように、両建てについて詳しく解説します。
・両建てってどういうこと?
・両建ては難しいの?
・両建てのメリット4つとデメリット3つ
・両建てはどんな時に失敗するの?
・両建てはどんな時に使えば効果的なの?
・両建てを外すタイミングが分からなくなったらどうする?
・両建てで失敗した時はどのように外せばいいの?
・両建ての練習方法
「両建てという単語は聞いたことはあるけど、詳しくことはまったく分からない……」という人は、ぜひ最後までお読みくださいね!
目次
両建てってどういうこと?
両建てとは「同じ通貨ペアで売り買い両方のポジションを持って取引すること」です。
通常、FXは売ったものを買って決済、または買ったものを売って決済しますが、両建てでは売り買い両方のポジションを一緒に持つことになります。
例えば、両建てではこのようにポジションを持つ場合があります。
- 買いポジションを1000円持ち、それと一緒に売りポジションも1000円持つ
- アップトレンド時に持った買いポジションはそのままに、トレンド中に一時的に下降する時に新しく売りポジションを持ち、短期で決済を繰り返す(この場合、買いポジションはトレンドが終了した時に決済)
長期的なトレードでのポジションはそのままに、一時的に反対のポジションを持って短期的な利益を狙っていく使い方をするトレーダーが多いです。
そのため、初心者には難しい方法と言われるのですね。
しかし、両建ては本当に難しい方法なのでしょうか?
次からは、両建てについてさらに詳しく見ていきましょう。
※FX会社により両建てができないところもあるので、両建てを使いたい場合は口座を作る前に両建てができるかどうかを確認してください。
両建てのメリット4つとデメリット3つ
メリットが多いように見える両建てですが、やはりデメリットもいくつかあります。
両建てのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
両建てのメリット4つ
- 損失のリスクを抑えられる
- リスクヘッジとして有効
- 利益の幅が広がる
- スワップポイント運用のリスクを抑えられる
両建てのデメリット3つ
- 両建てを外すタイミングが難しい
- 取引にかかる料金が2倍になる
- 同じFX会社で取引する場合、スワップポイントを支払う必要がある
両建てはどんな時に失敗するの?
両建てはうまく使えば利点が大きい手法ですが、注意すべき【失敗のパターン】があります。
それは「損切りをしないために両建てをしよう!」という考え方で取引をする場合。
例えば、上昇トレンドになったから買いポジションを持ったのに下がってしまった時、売りポジションを持てば含み損は抑えられます。
ただ、その後に両方のポジションをどうすればいいのか分からず、「結局すべて決済してしまい、ただの損切りになってしまった」というトレーダーもいます。
特に、初心者には難しい方法なのでおすすめできません。
両建てに挑戦しようと考えているなら、相場の流れが読めるようになった後で挑戦してみてください。
両建てはどんな時に使えば効果的なの?
それでは、両建てはどんな場面で使えば効果的なのでしょうか?
ここからは、両建てがおすすめな場面や使い方を紹介していきます。
トレンド相場で使う
トレンドが発生した時に両建てのポジションを持つ方法です。
トレンド発生時でも、相場は一定方向のみに動きませんよね。
例えば上昇トレンドの場合には、時々下降しながら上昇する場面があります。
その動きを利用して、買いと売りの両方で利益を狙っていくのがトレンド相場で使う方法になります。
上昇トレンドの時に使う場合
- 上昇トレンドを確認したら買いポジションを持つ
- 少し下降する押し目が出たら売りポジションを持つ
- 押し目からまた上昇し出したら売りポジションを決済
- アップトレンドが続く限り2→3を繰り返す
- アップトレンドが終了したら買いポジションを決済
下降トレンドでは、この反対の方法で取引をします。
トレンドにうまく乗れれば利益は大きくなりますが、トレンドを見誤ると損失を出してしまう可能性も……。
押し目を上手く見つけられるかが、この方法のポイントになります。
レンジ相場で使う
レンジ相場を上手く捕まえれば、両建てで利益を出すことは可能です。
レンジの時に使う場合
(例えば、サポートラインが120円、レジスタンスラインが130円の場合)
- サポートラインで戻り121円になったら両方のポジションを持つ
- そのまま上昇し、レジスタンスラインで戻ってきたら129円で買いポジションを決済
- 決済時に、買いポジションの利益と同じ額(この場合は9円)の損切り注文を売りポジションに入れる
- サポートラインで戻り121円になったら売りポジションを決済
買いポジションの利益分と同じ額で売りポジションの損切り注文を入れることで、相場が予想と違う方向に動いたとしても損失を防ぐことができます。
反対に、4.で予想通りにいかず下降トレンドになった場合、売りポジションをそのまま持っていれば利益がどんどん増えますよね!
スワップポイントを狙う
スワップポイントを狙う場合、同じ会社で両建てをするとスワップポイントはプラスマイナスゼロまたはマイナスになってしまうため、別々のFX会社を利用するのがおすすめ。
スワップポイントは会社毎に変わるので、
- 買いスワップが高い会社で買いポジションをもつ
- 売りスワップが高い会社で売りポジションをもつ
という風にすれば、スワップポイントの差額を得ることができます。
両建てを外すタイミングが分からなくなったらどうする?
両建てをした場合、決済するタイミングが分からなくなってしまうことがあります。
そんな時、初心者なら決済して再度エントリーした方が良いでしょう。
ポジションを持っている時は冷静な判断をするのが難しくなるため、一度決済をして冷静になってから相場を読み直すようにしましょう。
初心者が安易に手を出すと、決済のタイミングがつかめず損害が大きくなってしまう可能性が高いです。
相場を読むのに慣れていない初心者は避けた方がいいでしょう。
両建てで失敗した時はどうやって外せばいいの?
両建てで失敗してしまった場合、どのように外せばいいのでしょうか?
ここでは、3つのパターンを紹介していきます。
売り買い両方のポジションを同時に決済する
「両建てをしてみたけど分からなくなった!どうすればいいの?」という場合は、思い切って両方のポジションを決済しましょう。
他の手法の損切りと同じですね。
利益はありませんが、一番確実に決済することができます。
利益ポジションは残して、損失ポジションのみを決済する
相場がアップまたはダウントレンドに入った場合、トレンド方向のポジションのみを残して反対のポジションを決済します。
損失が発生した場合でも、トレンド方向のポジションの利益が大きくなれば損失分を取り戻せます。
ただしトレンドに入っていない場合は、残した方の利益ポジションがマイナスに転じる可能性もあるため、両方決済した方が安全です。
損失ポジションは残して、利益ポジションのみを決済する
損失が出ているポジションのみを残し、利益が出ているポジションを決済します。
損失が出ているポジションを残すので、その後損失を取り戻せる場合もありますが、反対に損失がさらに大きくなってしまう可能性もあります。
現在損失が出ているポジションが、その後利益に変わる(または損失が小さくなる)可能性が高い場合におすすめの方法です。
将来好転する可能性がない場合は、早めに損切りをしてしまった方がいいでしょう。