FXをやるなら国内・海外どちらが良いか?5つのポイントで比較

国内FXと海外FXを5つのポイントで比較

取引方式

初めに、FXの取引の方式としてトレーダーとカバー先銀行の間に業者のディーラーを置く「DD(ディーリングデスク)方式」と、トレーダーとカバー先銀行が直でやりとりする「NDD(ノンディーリングデスク)方式」の2種類があります。

分類では、国内のFX業者が「DD方式」で海外FXが「NDD方式」が主流です。

まず「DD方式」ですが、相対取引とも呼ばれており、特徴的なのは業者ディーラーとトレーダーの利益が相反している点が挙げられます。

つまり、トレーダーが買い注文をすると、業者は売りで受けることになるため、レートが上がるとトレーダーが儲かり、業者側は損する仕組みです。逆にレートが下がると勝ち負けは逆転します。

DD業者はトレーダーからの注文を「呑む」ことができるので、その場で顧客同士の注文を相殺したり、小口取引の場合は一定の量が溜まるまで保留したりします。

この場合、どのカバー先にどのタイミングで注文を流すかはDD業者次第となってしまうため、トレーダーからすると不透明さを感じることになります。

これだけ見ると国内FXが悪徳なことをしているとも見えますが、だからこそ日本は世界でも類を見ない最狭スプレッドが実現できているとも言えるのです。

逆に、海外FXのほとんどが「NDD方式」となります。これはディーラーを介さない取引になるためトレーダーの注文をダイレクトにカバー先銀行に流します。

そのため、トレーダーにとっては透明性が高く、取引回数や枚数がダイレクトに利益になり、業者とトレーダーの相対取引は起こりません。

スプレッドについては時間によって変動しますが、約定力や約定スピードは安定している傾向にあるため、自分の取引をシンプルかつスピーディーに行いたい方はNDD方式が向いているでしょう。

 レバレッジ

レバレッジを訳すと「テコの原理」ですが、FXにおけるレバレッジとは、少ない資金で何倍もの金額の取引が可能になることを言います。

例えば、レバレッジ100倍であれば、4万円の資金で400万円分の取引が可能になります。もちろん良いことばかりでは無く、高レバレッジであればあるほど、負けた時の損失も大きくなるため、リスクが高まることも踏まえる必要があります。

国内FXの場合、このレバレッジが最大25倍までと定められているので、これ以上のレバレッジをかけて取引することはできません。

一方、海外FX(日本での登録がない)は、その定めに従う必要がないため、最大で数千倍のレバレッジという業者も存在します。

これも、どちらが良い悪いは一概に言えませんが、FX初心者がリスクなどへの事前対策もなく、いきなり高レバレッジで取引することは危険ではあります。

ただ、海外FXの場合は国内FXにはない「ゼロカットシステム」があるため、そのシステムを理解し、しっかりとした対策を踏まえたうえでハイリスク・ハイリターンな取引を行い人は海外FXが向いているといえます。

 取引ボーナス

海外FXの多くが取引ボーナスを設けており、例えば「入金額100%分の取引ボーナス」などもあります。

これは入金した額の100%、つまり同額を取引資金として付与するというサービスになります。

もちろん、このボーナス分を実際のキャッシュとして引き出したりはできない仕組みになっていますが、このボーナスを取引に使うことはできるので、自分が準備した資金の倍額で取引ができることになります。

一方、国内FX業者は多少のキャッシュバックなどを用意している業者もありますが、金額の条件があるなど、万人がその恩恵を受けるという類のものではありません。その為、ボーナスの恩恵だけで考えるなら海外FXが一歩有利とも言えます。

 追証とゼロカットシステム

株や現物取りと違い、レバレッジを聞かせて取引するFXは投資額を超える損失が発生します。

そのための対策として、まず準備されているのが「強制ロスカット」です。

これは証拠金の維持率が一定の基準を下回った場合、強制的にポジションを損切りする仕組みのことで、緊急ブレーキの役目を担います。

これがあれば、マイナスの損失は発生しないように思えますが、あくまでも今後の値動きの予測と維持率のバランスを見て実行するため、例えば値動きが想像を大きく超えた額で動いたりすると、業者のサーバーの処理が追い付かずにロスカットがされない・間に合わないケースもあります。

近年では2011年の東日本大震災や2019年のアップルショックなどの際に実行されました。こういったロスカットが間に合わずに生じたマイナスの損失を「追証」と呼びます。

追証はカードローンで発生した負債と同じ扱いになるため、返却は「義務」となります。もし手持ち資金がない場合は家財や不動産を売却してでも返却する義務があり、それができない場合は自己破産するしかありません。

この「追証」をさらにカバーするために用意されているのが、海外FX業者で多くみられる「ゼロカットシステム」です。

ゼロカットシステムとは、その名の通りマイナスになった負債をカットしてゼロに戻してくれるシステムです。

実際はトレーダーに生じたマイナスを業者が肩代わりしているだけなので、負債が消えたわけではありませんが、トレーダー自身はその支払いから逃れられるため、高レバレッジでも安心して取引が出来るという仕組みです。

高レバレッジでの取引に躊躇がある方にはこのゼロカットシステムは強い味方になるはずです。

 税金

税金面については、国内が圧倒的に低コストです。具体的には、年間の売上げが195万円以下の方は海外FX、それ以上の方は国内FXが税率は低くなります。

その理由としては、国内FXは税率20.315%で固定されており、1,000万であれ1億円であれ、この率は変わらないからです。

一方、海外FXは変動制であり、年間195万円以内であれば15%なので国内より低い税率ですが、それ以上になると20%~55%まで上昇していく仕組みです。

そのため、金額によっては半分以上が税金で持っていかれてしまい、手元に入ってくる金額は少なくなってしまいます。195万円以上の規模で利益を上げる可能性がある方にとっては、国内FXが圧倒的に低コストとなります。

海外FXに対して抱きがちなイメージと現状

海外FXの違法性

まず結論として、日本人が海外FXでの取引をすることは違法ではありません。一方、金融庁のHPには海外FX業者との取引を控える警告や取引に関する注意事項などが多く見受けられます。これはどういうことでしょうか。

厳密に言うと、日本において違法となるのは日本居住のトレーダーに対し、海外FX業者から直接営業活動を行う事は違法となります。ただし、これも罰せられるのは業者であって、トレーダー自身には罪はありません。ただし、だからと言って「海外FXは安心」ではありません。

海外FXの場合、日本FXと違ってハイレバレッジやゼロカットシステム、ボーナスなど優れた点は多いですが、国内FXに見られる「信託保全」という制度がなかったり、出金がスムーズに行われないなどの悪徳業者も多く存在します。

そのため、海外FXが違法ではないとしても、その業者が拠点とする国の認可を受けて運営している業者を選ぶことが重要です。

 取引は英語が必須

海外FXなので英語がわからないと取引できないかというとそのようなことはありません。

海外FXで検索してみると、多くの海外FX業者の日本人向けHPがヒットすると思います。どれを開いても大体は日本語でかかれており、内容を理解するのに苦労するということはありません。(もちろん、完全英語のみの業者もあるので、それらは英語が必須になります)。

また、サポートセンターも日本語に対応しているところもあるため、そういった業者を選べば、日本語しかわからない方でも、安心して取引をすることは可能です。

まとめ

これまで国内FXと海外FXの違いについて比較し、どちらが良いのかを検証してきました。

どちらも一長一短がありますが、資金が少ない最初のうちは高レバレッジとゼロカットシステムがある海外FXで取引を行い、年間でまとまった利益が出せるようになれば低税率の国内FXで取引することをおススメします。

ある程度資金があれば、レバレッジ25倍であっても十分に利益を出すことができますし、税率も一定なのでさらに大きな取引が出来るようになるでしょう。