MT5は使えるツールなのか?MT5の特徴と国内取扱業者を紹介

そもそもMT4/MT5とは何か?

MT4・MT5とはどちらもロシアのメタクォーツ社(MetaQuotes Software Corp.)が開発した、世界で最も利用者数が多い取引ツールです。ネット上でも「MT4」や「MT5」で検索すれば、かなりの数の解説サイトが表示されることからも、人気の高さとユーザー数の多さが伺えます。

MT4MT5はどちらも同じ会社が開発したツールであることは先に述べましたが、MT4のほうが歴史は古く、MT5はそのバージョンアップ版としてリリースされたものになります。しかし、現在もMT4を使うトレーダーは多く、MT5の普及はあまり進んでいません。

そこで、今回は実際にMT5MT4と比較してどの点が優れているのかを検証した上で、MT5が利用できる国内FX業者と海外FX業者をご紹介します。

 MT4に比べてMT5が優れている点を検証

動作スピード

動作スピードはMT5のほうがメモリを多く使う分、サクサクと動き、スピード感は優れています。

以前はハイスペックPCでないとMT5はかえって遅くなるという説もありましたが、2024年時点では、よほど低スペックのPCや古いPC(2015年以前)のものでなければスペックにおいて問題はありません。

MT5体験者の口コミなどを見ても、一度MT5のスムーズな動きに慣れてしまうと、MT4に戻った時にその動作の遅さにイライラしてしまうという意見も見られるので、この点はMT5が優れているといえます。

ただし、注意したいのは、最近のPCであればほぼ問題なく動くとはいえ、MT5が多くのメモリを必要とするのは間違いないということです。

そのため、複数のMT5を同時起動するなどの使い方をする場合は、PCのスペックによってはその負荷に耐えられない可能性もあります。同時起動したい方は、自分のPCのスペックを確認しながら使うことをおすすめします。

 分足・時間足の表示数が12パターン追加されている

MT5は、MT4から12種類の分足が追加されており、より細かい分析が可能になっています。チャート分析を中心とするトレーダーにはこの点はとても有利になるはずです。

分足
  • M1(1分足)
  • M2(2分足)★
  • M3(3分足)★
  • M4(4分足)★
  • M5(5分足)
  • M6(6分足)★
  • M10(10分足)★
  • M12(12分足)★
  • M15(15分足)
  • M20(20分足)★
  • M30(30分足)

※ ★がMT5で追加されたもの

時間足
  • H1(1時間足)
  • H2(2時間足)★
  • H3(3時間足)★
  • H4(4時間足)
  • H6(6時間足)★
  • H8(8時間足)★
  • H12(12時間足)★
※ ★がMT5で追加されたもの

となり、分足・時間足の多さではMT5が優れているといえます。

ただし、全部の分足・時間足を使う可能性はかなり低いため、チャート分析などがまだよく分かっていない初心者などにとっては、見る観点が多すぎることで、かえって持て余すことになる可能性はあります。

気配値ウインドウのメニューが2つから4つに増加

気配値ウインドウについては、MT4では「通貨ペアリスト」「ティックチャート」の2種類でしたが、MT5では「銘柄」「詳細」「プライスボード」「ティック」の4種類に増えています。さらに、「詳細」タブを開くと『高値』『安値』『直近価格』が確認できるようになりました。

また「プライスボード」は銘柄登録した通貨のプライスボードが一覧で表示されており、1画面上で注文が可能なため、かなり便利な機能が搭載されていると言えます。 

取り扱い業者数ではMT4が依然として多い理由

ここまで、3つの視点でMT5MT4に比べて優れている点を解説してきました。実際、取り扱っている業者数でも、まだまだMT4を採用している業者のほうが多く、MT5が使える業者は少数派なのが現状です。

その原因としては、いろいろな要素が考えられますが、トレーダーの目線で言うと、カスタムインジケーターとEAの互換性の問題が最も大きい原因であると考えられます。

MT4MT5における、カスタムインジケーターとEAについて

カスタムインジケーターとは、もともと標準で搭載されているインジケーターとは別に、自分自身の使いやすいようにカスタマイズできるインジケーターになります。

そもそもMT4が爆発的に普及したのも、このカスタムインジケーターが非常に優れており、既存のツールとしての使い方だけでなく、トレーダー個人の指向やトレードスタイルに応じて自由にカスタマイズできる点が優れていたからともいえます。

MT5MT4の後継として機能として優れている点は多いものの、このカスタムインジケーターの取り扱い数ではまだまだMT4が圧倒的に多いことと、MT4MT5間での互換性がないため、MT4で使えていたインジケーターがMT5では使えないため、現在MT4を使っている人がすぐにMT5に切り替えられない要素となっています。

EAについても同様です。EAはあらかじめ設定したプログラムに応じて自動で取引を行ってくれる機能ですが、これもMT4では使えてもMT5では使えないものが多いのが現状です。

MT5取り扱いのある国内FX業者の紹介

まだまだ業者の数は少ないですが、国内FX業者でもMT5を扱っている業者が2社あります。

OANDA Japan(オアンダ・ジャパン)

OANDA Japanは、もともとカナダ設立されたFX業者が、2004年から日本法人を設立しサービスを開始しています。こちらで2020113日からMT5の提供を開始しました。OANADA Japanの特徴は、取扱の通貨ペアが71種類と豊富な点が、まず挙げられます。(東京サーバーコースは28種類)

また、「fx Trade」という独自ツールを使用でき、こちらでは取引通貨単位も1通貨から始められるなど、プラットフォーム【MT4/MT5/fx Trage】×コース【プロ・ベーシック・東京サーバー※】の組み合わせによってサービス内容が異なり、初心者から上級者まで幅広く利用できる仕様になっています。

ちなみにfx TradeMT4が対応していないMacでの使用ができるツールということもポイントです。※東京サーバーはMT4のみ選択可能。

 アヴァトレード・ジャパン(AVATRADE)

イスラエルのAvaグループが提供しているFXサービスですが、MT5導入タイミングとしては、前述のOANDA Japanよりも早く、20199月からMT5での提供を開始しました。OANDAには劣るものの、通貨ペア数は55種類と豊富で、最小取引量が1000通貨からなので、少額からのトレードが可能なのも特徴です。AVATRADEMT5については、専用のサイトがあり会社としてもMT5の利用を推し進めいている印象です。

専用サイトを見ると、MT5が最新のトレードツールであるというメッセージとともに「業界最狭水準のスプレッドで原則固定」「各種取引手数料が無料」「とっても親切なサポート体制」というポイントで推し出しています。

まとめ

  • MT5はMT4の後継であり、最新のトレードツールではあるが、普及はまだ進んでいない
  • MT5がMT4と比較して特に優れている点は「動作スピード」「分足表示数の豊富さ」など
  • 以前はMT5=ハイスペックという印象だったが、2020年時点では推奨スペックも一般化しつつある
  • インジケーターなどの豊富さやカスタマイズ性の高さなどの関係で、いまだにMT4が主要である
  • MT5を扱う国内業者は2社(ONDA Japan・AVATRADE)のみであり、今後の展開が待たれる