海外FXの税金対策と節税方法

海外FXで取引していても、日本に住んでいる場合は、一定額以上の利益に対して課税されることになります。海外FXは、国内FXと税制度や税率が異なる部分がありますが、初心者にはより有利な点もあります。

 

海外FX特有の高いレバレッジにより大きな利益を得ることができても、その後の税金対策や節税方法を知っているかどうかで、大きな差が生じることになります。

 

そこで今回は、海外FXで利益を出した場合の税金対策と節税方法について解説します。

 

海外FXと国内FXの税制上の違い

 

税率 課税制度
国内FX 一律 申告分離課税
海外FX 超過累進税率 総合課税

 

国内FXに関わる税制

国内FXの税率は、利益額の大きさに関わらず一定です。また、給与所得などと合算せずに国内FXの損益だけで課税額を算出する「申告分離課税制度」が採用されています。

 

さらに、他の金融商品との損益通算ができる場合があり、損失が出た場合は最大3年間の繰越控除を受けることができます。

 

海外FXに関わる税制

海外FXには、所得額が大きくなるにつれて税率も高くなる超過累進税率が採用されていて、大きな利益が出た時は最大55%の税率がかかります。ただし、利益が小さい場合には国内FXの税率よりも有利となります。

 

また海外FXの場合は「総合課税制度」のもとで、その利益は給与所得や不動産収入などあらゆる所得と合算して課税金額を計算できます。したがって、これら全ての損益の合計額から課税額を算出することになります。

 

所得による税率と控除額

所得金額 税率 控除額
〜195万円 15% 0円
195万〜330万円 20% 97,500円
330万〜695万円 30% 427,500円
695万〜900万円 33% 636,000円
900万〜1,800万円 43% 1,536,000円
1,800万〜4,000万円 50% 2,796,000円
4,000万円〜 55% 4,796,000円

※税率は、所得税に住民税10%を加えたもの

 

海外FXの節税方法

経費に計上できるのはコレだ

最も効果的に節税をする方法は、経費の計上によって利益を下げることです。

 

FX取引ではそれほど多くの経費を伴うことはありませんが、それでも経費に計上できるものはあります。これらを見逃さずに計上していきましょう。

 

海外FXで経費として計上できる可能性のあるものの例

 

セミナー 光回線・WiFi プロバイダー 書籍
有料メルマガ 電話料金 光熱費 海外渡航費
有料情報サイト 文具・事務用品 机・椅子 ソフトウェア
DVD パソコン 照明 取引手数料
有料インジケーター プリンター テレビ 送金手数料
有料EA オフィス等 英会話費用 新聞代
クレジットカード年会費 家賃の一部 会食費用 VPSサーバー

 

経費計上の条件は「FXのために利用したもの」

上の表に、海外FXで経費として計上できるものの例を記載しました。ただし、これらを経費とするための条件として、「FXという事業に利用したもの」である必要があります。

 

例えば、海外渡航費について、「XM本社の見学」でキプロスへ行くとか、「FX経験者との打ち合わせ」でシンガポールへ行くという目的であれば、経費として計上することができます。会食も、「FXの勉強会」という目的ならOKです。

 

ここで重要なのは、これらが「FXのための経費であること」を記録しておくことです。例えば、勉強会のレジュメやメモ、セミナーの案内状、当日のスケジュールなどです。このような記録がない場合は、税務署に経費として認めてもらえない場合があります。

 

ECN口座で取引手数料を経費に計上

少しややこしいですが、スプレッドは経費になりませんが、取引手数料はなります。

 

通常の海外FX口座であるSTP口座は、取引手数料が無料で、スプレッドは広めです。しかしこれでは経費として計上できません。逆に、ECN口座は、取引手数料が有料で、スプレッドが狭めなのです。

 

ですから、ECN口座で取引することで取引手数料を経費として計上でき、節税することができるのです。

 

家賃を経費に計上

FX取引をするのが自宅である場合、自宅の家賃等の一部も経費として計上することができます。

 

賃貸物件 家賃の一部を経費として計上できる
持家 自宅の減価償却費等の維持費用の一部を経費として計上できる

 

ここで「一部」とはどういうことなのでしょうか?

 

自宅でFXをしているとは言え、生活もしているわけですから、家賃の100%が経費として認められるわけではありません。「自宅でどれくらいの割合の時間と面積をFXに費やしたか」という事業使用割合に応じて経費が算出されるわけです。

 

また、持家に住んでいる場合は、固定資産税、減価償却費、火災保険料などのコストを合算し、事業使用割合を加味して経費が算出されます。

 

ただし、住宅ローン控除を利用している場合は、経費として計上してしまうと当該控除が受けられなくなってしまうので注意してください。(事業使用割合が10%未満の場合を除く)

 

所得控除を利用する

控除制度を利用することも有効な節税方法です。社会保険料や医療控除、配偶者控除などがその代表的なものです。また、iDeCo(個人確定拠出年金)は掛け金の全てが所得控除の対象になるので効果的に組み合わせましょう。

 

法人化して給与所得分を節税

給与所得のない人なら、FXを事業として法人を設立するのが最も効果的な節税対策となります。これにより、経費計上の範囲が、個人の場合よりもかなり広がることになるのです。

 

例えば、FXだけで生計を立てている投資家に840万円の年収があった場合、

 

  • 雑所得だと・・・840万円 ⇨全額課税対象
  • 法人化(収益全額が社長報酬) ⇨給与所得控除で204万円が引かれて、638万円が課税対象
  • 法人化(収益は半々で社長と役員(妻)報酬) ⇨各報酬420万円から給与所得控除136万円が引かれて、568万円に課税

 

このように法人化して、利益を全て役員報酬とすることで給与所得控除の対象となります。しかも、自分だけでなく奥さんも役員にすると、2人でより多くの控除を受けることができるのです。

 

ただし、法人化すると法人設立のコストが20万円ほど、地方税が毎年7万円ほど発生することになります。また、役員報酬の額は一定である必要があります。FXの利益を毎年同じ額にするのは難しいので、ある程度大きな利益を安定して稼げる方に、法人化は適していると言えます。

 

雑所得内で損益を相殺

雑所得内であれば、その年中に生じた損失は内部通算することが認められています。ですから、雑所得内であれば、海外FX同士の損益はもちろん、それ以外の所得も相殺できるのです。

 

まとめ

以上のように、海外FXでの税金対策と節税方法を見てきました。注意しなければならないのは、FXで利益を出した場合、納税は義務であることです。これを脱税してしまうと、経済的なペナルティが課されることに加え、場合によっては懲役刑を課されてしまうこともあります。ですから、利益を出した場合はきちんと納税するようにしましょう。

 

脱税は違法ですが、節税は合法です。今回紹介した節税方法を駆使してみてください。

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