システムに取引を任せることを、自動売買取引(システムトレード)と言います。
必要な環境の整備と一定の設定をすれば、自動的にFX取引を行ってくれるので、仕事などで忙しい方や自分の投資知識などに不安を感じている方でも気軽に取引できる便利な手法です。
今回は、海外FXで自動売買を行うことのメリットや注意点などを紹介していきたいと思います。
目次
EAとは?
EAは「エキスパート・アドバイザー」の略で、FX専用ソフトであるMT4・MT5上で起動するようにプログラミングされたシステムです。EAは、売買、利益確定や損切りなどの条件がプログラミングされていて、MT4が稼働している間は24時間自動売買し続けます。
特に、海外FXではほとんどの業者がMT4に対応しており、EAの種類も豊富です。また、EAはカスタマイズも自在にできることから、初心者から上級者まで幅広いトレーダーに支持されています。
海外FXで自動売買するメリット
24時間取引が可能
EAは24時間365日取引を行うため、チャートの前に張り付いている必要がありません。FX取引のピークは朝の10時から夜中の3時くらいまで。
でも、翌日は朝から仕事という人だと夜中に取引はキツイですよね。この点、EAだと、昼間や夜中もずっと自動的に取引してくれるので、チャンスを見逃してしまうという心配もありません。
リスク分散できる
投資にはリスク分散はとても重要です。1つの通貨ペアや手法だけに偏っていると、失敗した時のリスクが大きくなってしまいます。
この点、EAを利用すれば、通貨ペアや手法を分散することができるのです。したがって、リスク分散の観点から、自分の手法と異なるタイプのEAを選んでいくことをおすすめします。
感情を入れずに取引できる
自分自身で取引する際に最も肝心なのが、感情を入れずに自分の決めたルール通りに機械的に判断していくこと。たとえ知識やルールを理解していても、これを実行するのはかなり難しいものです。
この点で、EAにはそんな心配も無用。ロジックにしたがって自動的にエントリー、そして利益確定や損切りが淡々と行われることになります。
ここが、EAの大きなメリットの1つです。
ほとんどの業者がMT4に対応
EAを利用する際には、MT4は必須のソフトです。海外FX業者は数多く存在しますが、そのほとんどがこのMT4に対応しています。
一方で、国内FXではMT4に対応していない業者がほとんどです。多くが独自の取引ツールを採用しているため、業者を移行するたびにツールを1からマスターしていく必要があるのです。
リスクを抑えて大きな利益を狙える
海外FXの特徴であるハイレバレッジとゼロカットシステム。EAでもこれを活かして、リスクを抑えながら大きな利益を狙っていくことも可能です。
国内FXではレバレッジは最大25倍に規制されています。またゼロカットシステムも採用されておらず、相場急変の際には追証によって莫大な損失を被るリスクが潜在します。
この点で、海外FXでは業者によって1000倍ものレバレッジをかけることもできるのです。これによって、少ない資金で大きな利益を狙うことが可能になります。EAに慣れるということを考えても、少額から始められることは、初心者には嬉しいですね。
なお、海外FXでどのEAを利用したらいいか分からないという人は、「海外FXでEAにおすすめの業者徹底比較特集」というページでおすすめの業者をご紹介しているので是非参考にしてください。
EAを始める前に確認すること
VPSやMT4が必要
EAは、MT4にインストールして自動売買することになるので、パソコンを24時間稼働させておく必要があります。
しかし、パソコンの電源を一日中つけっぱなしにするのは現実的ではありません。そこで、多くの人はVPS(Virtual Private Server)というレンタルサーバーを利用しています。そしてレンタルサーバーを借りる際には、一般的に月額3000円ほど費用が発生することになります。
ただし、海外のFX業者の中には、一定条件を満たした場合にVPSを無料で提供しているところもあります。EAを試してみたい方は、こちらを利用してみるといいでしょう。
また、EAを利用する際に必要なプラットフォームとして今も主流なのはMT4です。しかし、その最新版としてMT5も開発されており、このMT5でもEAを利用することができます。
ただし、MT4とMT5は異なるプログラム言語が使用されているため、同じEAを両方で使うことができません。ですから、目当てのEAがどちらに対応しているかを、事前に確認することをお忘れなく。
EAの設定が必要
「設定する必要がある」なんて聞くと、身構えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、MT4ではシステムに詳しくない人でも操作できるようになっています。ですから、誰でも手順どおりに進んでいけば、簡単に使用できるようになりますので、そんなに心配する必要はありません。
良いEAを見極める
EAにもそれぞれ特徴があり、成績も様々です。ですから、利用前に自分にあった手法を採用しているか、また優秀な成績を残しているかなど、入念に確認する必要があります。
確認する方法
成績を確認する方法は、バックテストとフォワードテストの2種類画あります。
バックテストは、過去10年単位のデータを使って、そのEAを過去のある時期に稼働させた場合どのくらいの利益が上がっていたかをシミュレーションすることです。
フォワードテストは、デモ口座やリアル口座でEAを実際に稼働させて、現在の相場でもきちんと機能するかを検証することを言います。
確認項目① 成績グラフの安定性
確認すべきなのは、まず成績グラフが安定して右肩上がりになっているかどうか。
これが激しく上下しているような場合は、安定した取引ができていないということです。反対に、穏やかな右肩上がりの場合、大きな含み損を抱える確率も低く、比較的安定した取引が期待できます。
確認項目② PF(プロフィットファクター)
PFとは、総利益額と総損失額の比率を表す数値です。この数値が1よりも大きいと総利益額が総損失額を上回っていることを示しており、逆に1よりも小さいと総損失額の方が総利益学を上回っていることになります。
できるだけPFが1.3以上のものを選ぶといいでしょう。
リスクが高すぎないか?
最大ドローダウンや含み損の大きさなど、どのくらいのリスクがあるのかということを過去の実績から確認することをお勧めします。
例えば、過去のデータを見て、含み損が最大60%のものと、最大20%のものであれば、10%のもののほうがリスクは低いということになります。
まとめ
以上のように、EAのメリットや確認すべき点を紹介してきました。
自動売買と聞くと、設定や環境の整備などハードルの高さを感じていた方もいるかもしれません。
しかし、実際にはそう難しいものではなく、初心者でも利用できるものです。この記事でご紹介したポイントをチェックしながら、ぜひ海外FXで自動売買に挑戦してみてください。